おっさんサッカー独り言

サッカー日本代表とかジェフ千葉についてブツブツ書きます。

今更考える「本田ボランチ」

東アジアカップも終わり、

さーて次のウルグアイ戦に誰が招集されるんだろーねー的なお話だったり、

Jリーグ再開しておっと大宮いつの間に落ちてるとかだったり、

それなりに話のタネは尽きないと思います。

そんな中、敢えて「本田ボランチ」について言及してみようかと。

記憶にある限り、今までこの話題はしたことが無かったはず。

(香川トップ下については何回も書きましたが)

あ、ちなみに私は「本田ボランチ反対」派(?)でございます。

少なくとも現段階では。

■待望論の背景と思われる事柄

一時期「香川トップ下」論がやたらめったら語られていた事がありました。

最近割と減りましたけど。

で、その「香川トップ下」を実現させつつ、今の戦力をダウンさせない方法論として

「本田1トップ」もしくは「本田ボランチ」がセットで語られていたかと思います。

それに加え、現在の代表レギュラーボランチである遠藤、長谷部の能力の低下

(もしくは期待値との乖離)があって、

「それならば本田ボランチで良いじゃないか」「やったことあるし」「CSKAでもやってた」

みたいな展開だったかと。

■本田自身の適性

本田という選手はああ見えて割と器用だと思うので、

恐らくほぼ問題なくこなしてくれるんじゃないでしょうか。

守備のタスクでサボるとも考えにくいし、元々得点に絡むのは好きなタイプですから

飛び出しという面でもやってくれることでしょう。

運動量も豊富、というか汗かき役を厭わない性格ですし。

前を向いてプレーする時間が増えるとなると、

前線の選手に良いパスを提供してくれることも期待できます。

足は決して速くないですが、ヘディングは強いのでハイボールへの対策にもなります。

あれ?良いじゃん本田ボランチ

…いや、良いんですよ。素質としては。多分。

■現代表のボランチの役割が可能か

東アジアカップで山口、青山、扇原、高橋が活躍したとはいえ、

現代表のボランチは遠藤、長谷部がメインだと思いますので、

その2人で話を進めます。

まず遠藤はご存じの通り「ボール散らし」「パスの経由地」「ここぞの時の決定的なパス」

という、主にボールの出し手としての役割を担っています。

また、守備時においてはボールを奪うというよりかはコースを限定したり、

相手の攻撃を遅らせたりという役割になります。

一方の長谷部はその運動量と献身性を武器に

チャレンジとカバーを行う役割です。

最近は特に地味な役割を担っているかと。

内田のカバーだったり、本田の落としをもらう役割だったり、

思い切って楔を入れたり、ミドルを狙ったり。

守備面では遠藤とは対照的に、ボールを奪いに行く方が多い感じでしょうか。

さて、本田。

能力的にはどちらの役割も出来そうです。

まぁ「ボールを奪う」っていうのは少し難しいかもしれませんが、

身体は強いので競り合ったら強いと思います。

また遠藤ほど気の利いたボール散らしと位置取りは出来ないと思いますが、

多分アレは遠藤にしかできないのでしょうがないです。

あれ?やっぱり本田ボランチ問題ないじゃん。

■現状での本田の役割

ここ重要です。

今の日本代表において、本田の存在というのは非常に大きいです。

特に攻撃面において、他の選手にはない突出したあのボールキープ力は

他の選手のスイッチにもなっています。

すなわち、本田にボールが渡った⇒奪われずにパスが来る可能性が高い⇒周囲が動き出す

という事。

また、本田が相手選手を2~3人引き連れる事で他の選手がフリーになります。

残念ながら香川はタイプが違い過ぎるのでこういった役割は出来ません。

中村憲剛も違います。

というか、今の日本人選手でこれが出来るのは恐らく本田のみじゃないでしょうか。

■ここで本田がそのままボランチに下がる事を考える

凄く単純化すると、ボールを保持する位置が低くなるという事です。

マイボールに出来る位置が相手ゴールから遠い。つまりその分攻撃に時間が掛かります。

相手が戻る時間が増えます。

「そんなの、本田がさっさとボールを出せば良いんだよ」

と思うかもしれません。

が、それをやると本田の特性が活かされません。

ただの身体能力が高いパサーに成り下がります。

攻撃のスイッチを入れるのも難しくなります。

本田が高い位置でボールをキープするからこそ攻撃のスイッチになり得るのであって、

低い位置ではあまり意味をなしません。

他の選手が攻撃のスイッチ役になればいいのでしょうが、

それは今の日本代表の攻撃の仕方を一から作り直す事になりかねません。

また、本田がボールキープに優れているとは言え、取られる事もあります。

当たり前ですが。

その際、今までのような位置ならばボランチの選手がフォローできたのですが、

本田がボランチの位置でキープした挙句に取られると非常に危険になります。

え?低い位置でキープするなって?

それは前述した「本田の特性が活かされない」ことになりますので、本田である必要性が低くなります。

これが「本田1トップ」ならば逆なんですよ。

ボールをキープしてくれる位置が一段前になるので。

ただし、本田1トップに関しては

本田自身がFW的な動き(裏を取ったり、DFの視界から消えたり)が苦手らしいので

ベストな選択肢とは言い難いです。

■結論

上にツラツラと書いておりますが、簡単に言えば

「本田個人としてはボランチ適性があると思うが、

 今の日本代表の戦い方で本田をボランチにする訳にはいかない」

って事です。

本田をボランチにするなら、守り方・攻め方を考え直す必要があります。

それが簡単にモノになれば良いのですが、そんな簡単だとは思いません。

個の力ではどうしても劣ってしまう日本が他の強豪国と渡り合うためには

どうしても「組織での戦術」が必要ですので、

仮に本田をボランチにするのであればブラジル大会以降かなー、と。

あ、簡単に上手くいくならすぐに試しても良いと思いますよ。

ただ、あれだけ能力の高い香川をトップ下にする事すら上手くやれてないんだから

難しいんだろうなぁ、と思いませんか。

異論、反論などお待ちしております。