オランダ戦はガーナ戦への布石?
タイトルは「布石?…だといいなぁ」と続きます。
ま、希望です。
さて、日本代表vsオランダ代表の親善試合については
もうビックリするほどのエントリーがなされてますので、
細かく書いたりしてもあんまり意味が無いでしょう。
もう個人的な感想とか疑問とか擁護を。
(つまりこれもいつも通り)
■結果から
0-3。大敗、惨敗、ボロ負け。
色々と言い回しはありますでしょうけど、まあバッチリやられたね、って感じです。
ただ、「負けてんなよ岡田更迭だ俊輔イラネ」等という脊椎反射をされる方が
未だに(若干名)いらっしゃるのが不思議でなりません。
親善試合です。相手は強豪オランダです。
試合前から
「世界の強豪相手にどれだけやれるのか。
負けてもいいから今までの日本のやり方をぶつける」
って岡田監督も言っていたような。
なので監督自身もそうでしょうけど
個人的にもこの敗戦、この点差は別に驚くようなもんでもないです。
■内容は?
点を取られるまでは、決して悪くなかったと思います。
もうお馴染みとなった
「前線からの猛チャージ」
が功を奏し、
オランダ自体の調子も今一つだった事も手伝って、
守備でも攻撃でも、今までの日本らしさを出せてたんじゃないでしょうか。
ここでポイントがいくつか。
*オランダの調子
欧州大好きな方に言わせれば
「オランダは全然本気じゃなかったよ。」
ってなるんでしょうかね。
ま、モチベーションは当然MAXじゃなかったと思いますけど、
「本気じゃない」っていうのは違う気もします。
どっちかというと
「俺らがやる気出しゃ簡単な試合だ。。。あれ?何か中盤でボール引っかかりやがる。ちょこまか鬱陶しいヤツ等だな。」
という気持ちが垣間見えました。
まあこれも想像に過ぎませんが。
スナイデルの苛立ちタックルを見るに付け、手を抜いているようには見えませんでしたので。
これで岡崎が最初のチャンスで簡単に点を決めてれば、
もっと早い時間からオランダのイライラが見れたかもしれません。
残念。
*「いつもの日本らしい攻撃」
皮肉です。
チャンスの一歩前ぐらいまで行くんですよね。
「惜しい!」って悔しがる事が出来ない所まで。
岡崎の最初のチャンスにしても打って外してたら「惜しい!」ってなるんですけど、
トラップミスして終わりじゃ「ぐぬぬ。。。」としか言いようが無い。
良かったのは長友の折り返し→長谷部の左足ぐらいかなぁ。
殆どペナルティエリアに侵入できてませんでしたからね。
日本の悪い癖だと思うんですけど、足元へのパスが多過ぎです。
受け手が止まって貰うばかり。
なので、攻撃に速さがなくなってしまう。
課題だと思います。
*「いつもの日本らしい守備」
これは皮肉でも何でもなく、良かったと思います。前半は。
相手DFに対しては玉田、憲剛、岡崎が猛然とチェックしに行き、
中盤でも長谷部、遠藤、俊輔が素早く寄せる。
そうしてパスコースが限定された結果、最終ラインは余裕を持って対処出来ていました。
闘莉王がロングボールに競り勝っていたのも、読み易いボールだったからでしょう。
あと、内田がロッベンと対決して(結果的に)勝ってたのは素直に
「良くやった」
と言いたいです。
正直ぶち抜かれると思ってたので。
後半は色んな要素もあるでしょうけど、一番は「バテた」って事でしょう。
これについてはまた後ほど。
■本田
誰もが期待していたであろう本田ですが、
残念ながら特に何かを見せる事もなく終わってしまいました。
スタメンじゃなかったのが既に残念だったのですが、
これは岡田監督のこの試合へのスタンスを考えればまあ納得です。
後半、頭から使ったのはやっぱり
岡田監督自身も彼の個人能力によってどこまでやれるのかを見たかったからでしょう。
そしてこの本田について、ブロガーさん達の議論の中心になっているようです。
・「本田はやっぱりダメだ派」
→守備をしない本田は、今の代表にはフィットしないという意味でも。
・「本田を使いこなせない岡田がダメだ派」
→能力はあるはずの本田を上手く使えないのは岡田監督のやり方が悪いから。
・「そもそも本田に期待し過ぎだろ派」
→オランダで活躍といっても所詮弱いチームの王様だし。
たくさん派閥を出そうとしたら3つしか出ませんでしたw
まあ要するに皆さん、本田には非常に期待していた訳で、
それが何だか残念な結果だったから手のひらをひっくり返したり
意地でも手のひらを上に向けたまま頑張ったりしているんですね。
個人的には非常に好きな選手ですし、
能力は間違いないと思っているので「不要」とは言いません。
ただ、本田自身も今の日本代表で自分が最も活きる道を見つけて欲しいですし、
それが「俊輔のポジションを奪う事」なのであればもう全力でやって欲しいです。
岡田監督も、本田の使い方をまだ探ってる状態なんじゃないかと。
彼を組み込む事で攻撃力は上がるはず。
守備力は下がるはず。
本田を中心に据えるなら今まで積み上げてきた代表のサッカーはリセットしなきゃいけない可能性も出てくる。
なので、本田の特性を上手く活かしながらも代表のサッカーに組み込みたいってのが狙いでしょう。
でも今は何だか中途半端になってしまっている訳です。
もしこれで本田が呼ばれなくなったりすると私の想像は全然外れている事になるんですがw
■岡田監督の目指す所とか
インタビューでは
「今日70分出来ていた物を、90分持たせるようにするしかない」
って言ってましたね。
悲しい事に、今の日本代表が上を目指すにはそれしかないのかもしれません。
選手達がバテてしまってから交代をしなかったのも、
そういう所を選手達に知ってもらう意味があったのかも…と憶測してます。
バテてしまった理由は当然のように「前線からの猛チャージ」戦術にあります。
しかし、これをやらないと得点のチャンスも更に減り、失点の危険も更に増えると言うジレンマ。
だからやっぱり日本が奇跡的に勝っていくには
「90分間の猛チャージ」
が必要なんです。
だって日本は弱いんですから。弱いチームが強いチームに勝つには
何かしらの武器と言うか、飛び抜けた何かを持たないといけませんからね。
で、それが実現可能かと言うと、もう人間の為せる事じゃないという意見もあります。
今の4倍ぐらい体力がないと無理とか何とか。
…って事はもう、動きの質を上げるのと、無駄を削るしかないのかな、と。
では無駄な体力の消費を無くすにはどうすれば良いのか。
経験上、一番体力をロスするのって、味方がボールを保持している時に
「さあ攻撃参加だ!」
と上がっていったらボール奪われちゃって守備に回る時なんですよ。
って事はつまり、個人個人が不用意にボールを奪われないように、
技術を上げていくって事も必要なんです。
技術の向上=周囲の選手の体力ロスを減らす→運動量の増加に繋がる
と言うのも成り立つんじゃないでしょうか。
なので「90分持たせるなんて不可能だろ!」っていうのは
表面上なお話で、
突き詰めていくと色々手段はありそうな気もします。
さて、ココまで来てやっとタイトルに繋がるんですけど、
オランダ戦ではとにかく「今までの代表のやり方」が
強豪相手に通用するのか、しないのか。
課題をたっぷり出す為の試合だったと思うのです。
で、次。
せっかくもう1試合ガーナ戦という結構な強豪と試合が出来るのですから、
今度は解決策を見せて欲しいと思います。
選手がバテてきた時に、交代策によって何とかするのか、
それとも違った方法を模索するのか。
ガーナ戦を楽しみに待ちましょう。