おっさんサッカー独り言

サッカー日本代表とかジェフ千葉についてブツブツ書きます。

必要なのはやっぱり「バランス」

4年に一度のお祭り、W杯もドイツの優勝で幕を閉じました。

日本代表は残念でしたが、サッカーファンならば色々と楽しめた大会だったんじゃないでしょうか。

スペインの敗退あり、コスタリカの躍進あり、アメリカの奮闘あり、

ブラジルの衝撃あり、ドイツの実力が見れた、という。

その辺はまた別でエントリーできたら。

で、日本に目を向けると

まだ決まってもないのに「アギーレジャパン」とか勝手に呼んでますね。

本当にいい加減にして欲しいんですけど。

今必要なのは次の監督の話題なのか?と。

もっと、足りなかったところと大切にすべき部分をしっかり分析すべきなんじゃないの?

…ま、サッカー関連メディアは流石に割と真剣に分析しているみたいですけど。

という事で、今回は個人的感覚で今後の日本代表が向かうべき方向みたいなのを探ってみようかと。

南アフリカ岡田ジャパンの持ち上げ方に「?」

今回、「攻撃的に」みたいな雰囲気で残念な結果に終わった反動からか、

南アフリカでの日本代表の戦い方が再評価されている気がします。

まぁね。結果出したのは前回でしたから、その時と今回を比較するのは大切でしょう。

ただ

「あれこそ日本代表の戦い方だ」

「今回もやるべきだった」

「守って守ってカウンター。南アフリカで成功したじゃないか。」

みたいな、若干極端な論調を見るとどうしても「?」な気持ちになります。

確かに、日本人の精神的特徴を考えると

「耐えて忍んでグッと堪えて、一瞬の隙を突いてカウンター」ってのは向いてると思いますよ。

精神的には、ね。

過去、オリンピック代表がブラジルに勝った時も物凄く耐えたし、

南アフリカカメルーンに勝った時もギリギリのところで頑張ってました。

親善試合とはいえフランスに勝ったのも、ずーっと守って守って最後にゴールでしたから。

それを考えると、集中して守るってのは本来得意なんだと思います。

ただし、カウンターを戦術として昇華させるのであれば、

基本的に能力の高い(そして速い)FWが必要だと思うんですよ。

今回のW杯で例を挙げると、コロンビアが日本とやった時のカウンターは

J.ロドリゲスという稀有な存在がありました。

(そうじゃなくてもやられてた、という意見はさておき)

オランダがスペインを打ち破ったのは、ファンペルシー、ロッベンスナイデルという

3人衆で攻めきる事が可能だったからじゃないかと。

もっともっと単純化して言うと、カウンター発動時って攻めと守りが同人数だったりするんですよね。

その時に攻め側としては「相手の他の選手が戻り切る前に速くフィニッシュする」事が必要です。

じゃ、どうすりゃいいのかというと、1vs1で少しでも有利になれば良いんです。

仕掛けて相手を交わすなり、他のDFを引き付けて空いた味方にパスするなり、

そういう事が出来なきゃいけないんですよ。

今回の日本代表にいましたかね?速い攻めの中でそういう事が出来る選手。

…絶好調時の香川とかぐらいかな?

本田だと多分遅いですし。(昔は出来てたような気がするんですけどねぇ。。。)

という事もあり、そもそも日本にカウンターが向いているかどうか、という所からして若干疑問です。

んで「南アフリカで上手く行ってたじゃないか」という意見に対して。

「いやいや、良く思い出してくださいよ」と言いたいです。

上手くカウンターしてました?

本当に頑張って、身体張って守備はしていたと思いますけど、

カウンターが上手く行ったのはデンマーク戦の3点目ぐらいじゃないですか?

カメルーン戦の1点目はカウンターじゃないし。

で、パラグアイ戦に至っては、ほぼ何も出来ないままPK戦突入しました。

これでも「カウンターが上手く行っていた」というんでしょうか。

別に私は結果を出した南アフリカ大会を貶したい訳じゃありません。

あの時の結果をやたら神格化して「あの方法で行けば良いじゃないか」という短絡的な思考に

少しだけ異論があるだけです。

そもそも、今回の「攻撃的に」という考え方は、

前回大会のパラグアイ戦の悔しさから来ているものだと思ってます。

結局、守る事に精一杯で自分達から能動的に仕掛けることが出来なかった。

岡田監督では、残念ながら攻撃的なサッカーが出来なかった。

(目指してましたが、残念ながら無理そうでした)

じゃあ自分達が主導権を握り、点を取りに行こう、と。

それが出来るような監督にしよう、と。

ただ、それが4年間のうちにいつの間にか「守備を犠牲に攻撃を」みたいになっちゃってましたけど。

まとめると、

南アフリカの結果は結果で良かったですけど、それだけじゃダメだったから今の方向になったはずなんです。

今回の失敗は、「プラスアルファ」にしなかったこと。

だから、「南アフリカの戦い方にすれば良し」な訳がないんです。

■どう進めば?

どうしても極端な方向に行きがちなんですけど、

行きつく先は「バランス」だと思うんですよね。

ありきたりですけど。

ザッケローニ監督だって、W杯の前まではしきりに「バランス」について言っていました。

攻撃偏重でも、守備偏重でもない。

どちらにも重点を置かなきゃいけない。どちらも強化しなきゃいけないんだと思います。

その中で、日本人の特性に合った攻撃方法が

「パスを繋いで相手に可能な限りボールを持たせず、狭い中でのコントロールで抜け出す」

だと(今は)思いますし、

守備の方法は

「1vs1に持ち込ませず、相手を挟み込んでボール奪取」

「前からのプレスで相手のロングボールの精度を低くする」

だと思うんです。

それらを全て盛り込むことが可能なのかどうかわかりませんが、

今後はこういった、今まで日本代表が上手く出来ていた部分を寄せ集めて作り上げていく必要があるんじゃないかと。

そうじゃないと、毎回毎回出した結果が「無駄」に終わっちゃいますよね。

ちなみに、個人的にはロンドンオリンピックの「戦術永井」は一つの回答だと思ってます。

攻撃に関しては上記と全然違いますが、

永井という特徴のある選手と、それをフォロー出来る清武、東というメンバーで攻め切るという

ある意味潔くてわかり易い方法です。

あれをベースにするのであれば、当時の永井と同等の事が出来る選手を見出すか、

戦術永井以外のもう一つのオプションも作り上げるか、どっちかでしょう。

なお、今のが永井が当時と同じことを出来るのかどうかは知りません。

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現代サッカーの完成形は、今回のW杯におけるドイツでしょう。

個人でも勝負できて、パスも繋げて、前からのプレスも効いていて、カウンターも鋭い。

もちろんその域に達する事は簡単に出来ませんが、

学ぶべきはその「色々な事が出来る柔軟性」だと思うのです。

一つの方向に傾くのではなく、柔軟な対応ができるようサッカー脳を鍛える。

そうした中で、攻守のバランスを取っていく。

日本代表に、そして見る側にも必要なのはそういう考え方じゃないでしょうか。