《A代表vsU-24》夢の対決は現実的なガチンコだった
サッカー日本代表をよく見る方々であれば必ず一度は想像(妄想)するであろう、アンダー世代とフル代表どっちが強いの論争。
それが実現してしまいました。
元々はジャマイカ代表とA代表の強化試合だったんですが、ジャマイカ代表が期限までに来日できなかったってことで急遽「ドリームマッチ」が組まれた訳です。
ジャマイカ代表には申し訳ないのですが、正直この「兄弟対決」の方がワクワク度が高まりました。
ホントごめん。
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で、実際に行われた対決。
そこには無情な現実が横たわってましたね。
- U-24にとってこの試合は想定外であり準備期間不足
- U-24はメンバーの最終絞り込み段階であり、連携は深まってない
- U-24は当落線上のメンバーを試したい
- U-24は中一日でガーナ戦
- しかも札幌から福岡へ移動
- A代表はミャンマー戦やってるのでチームとしてかなり仕上がってる
まぁ、どれも環境要因なので誰が悪いとかではないです。
こうなると結果は割と見えてますね。
3-0でA代表の完勝と言っていい内容でした。
「OA+冨安で固められたU-24守備陣 vs 大迫・鎌田・南野・伊東のA代表アタッカー陣!」
とか
「三苫・久保・堂安ならA代表のバックアップ守備陣を崩せる!」
とか夢見てたんですけど、何一つ実現せず。
まぁしゃーない。
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という訳で、とりあえず気になったことをツラツラ書きます。
- 久保は孤軍奮闘してたけど、一人で何かできる訳じゃないよね
- A代表はボールを奪いに行くタイミング・場所がチームとして意思統一されてた
- 一方U-24はどこで奪うのか、どうやって拾うのかが全然決まってなかった感じ
- A代表のボランチ強いな
- 入っただけで活性化する…遠藤…恐ろしい子…。
- 原口・伊東・守田・橋本。三好・遠藤・板倉・中山。ここが一番の違いだったかもしれない。
- 浅野はいつも変わらないな
- A代表の左SB問題は残ったままか…(誰か長友を追い抜いて欲しい)
とりあえず、思ってたよりガチで試合やってたのは好印象でした。
外から見てるよりずっとA代表って強いのかもしれないですね。
というのが今回の感想でした。終わり。
《vsミャンマー》勝っただけの試合
アジア2次予選のミャンマー戦。
勝てば2次予選通過という試合で、10-0の大勝となりました。
まあ、ホームだしミャンマーは国が大変な状況だし、元々も実力差も考えれば妥当な結果かな、と思います。
アジア最終予選ならともかく、2次予選のレベルではさすがに日本は頭3つぐらい抜けてますしね。
2次予選レベルで吉田冨安(板倉)遠藤酒井がいる守備陣を崩せるとは思えん。
勝つ事が第一義の試合でしたので勝てばまあ内容は問わないんですけど、
それでも内容が乏しい試合でしたね…。
素晴らしい崩しで得点した訳でもないし、相手の猛攻をバッチリ抑え込んだって訳でもない。
むしろ日本の方にパスミスが散見されて、相手が強ければヤバそうな感じでした。
それにしても日本の左SBはどうしましょうかね?
多分本番になったら日本の左サイドは徹底的に攻められると思います。
中山雄太は不安しかないので、酒井宏を回すとか不慣れでも板倉にやってもらうとか室屋に頑張ってもらうとかした方が良い気がするんですよね。
幸い2次予選の残り2試合が消化試合になったので、森保監督には是非とも色々試してもらいたいです。極端な話勝たなくても良いんで。
とにもかくにも、あまり得られるものがない試合でした。
あ、板倉は頑張ってましたねw
《vsモンゴル》14得点
14-0
野球でもそうそう見ないような得点差での勝利です。
W杯アジア二次予選、日本代表は圧勝しました。
さて、こんな結果になった理由はとても単純です。
・モンゴルが強くなかった
・日本が最後まで点を取りに行った
ってとこでしょう。
どっかで自称サッカーライターの杉◯さんが
「こんな勝ち方はマナー違反で恥ずかしい」みたいな事を言ってるようですが、とんでもない的外れなお話ですねw
得失点差での順位決定方法があり、親善試合でもない試合で全力の相手に手を抜くとかあり得ませんから。
もちろん、この勝ち方をしたからと言って代表の選手たちも「俺たちは強い」なんて勘違いをしたりしないでしょう。
ただただ「点を取るチャンスがあった」から得点を重ねたに過ぎません。
選手たちはアピールしたかったでしょうからね。
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てな訳でこの試合に関してはこれ以上書くこともないです。
全員良かった。結果も上々。
あ、浅野だけはちょっと振り返りしようかw
点取れて良かったけど、もうちょっと楽に取れたんじゃないかと。
稲垣や古橋は次にチャンスをもらった時にまた良いパフォーマンスを見せられるか、ですね。
このまま最終予選に行けるのはほぼ間違いないと思いますので、そこに向けてチームとして底上げしていけると良いですね。
《vsアルゼンチン》戦える集団
U-24アルゼンチンとの親善試合第二戦。
一戦目は得点差以上の差を見せつけられた感がありましたが
第二戦はなんと3-0で勝利。
内容的にも完勝でした。
さて、第一戦と何が変わっていたのか。
- アルゼンチンのコンディション低下
- 日本のメンバー大幅入れ替え(リフレッシュ)
これは要因としてもちろん存在すると思います。
ただ、それが全てではないですね。
「日本のインテンシティが上がった」
これが一番大きかったかと。
第一戦はA代表の韓国戦を観た後だったのもあり、明らかに中盤の強度が低いと感じました。
(守田、遠藤と比べられたら可哀想な部分もありますが)
なのでアルゼンチンにある程度前を向かれた状態での戦いになり、繋がれ、縦を狙われ…といった感じで後手後手に。
打って変わって第二戦は板倉&田中碧のコンビを中心に前から嵌める意識がとても高かったです。
”ビースト”林大地の愚直なプレス、相馬・食野・久保の相手がトラップした瞬間での食い付き、そこからこぼれたボールを板倉・田中碧が回収、みたいな感じ。
とにかく前線~中盤での相手への圧力が段違いだったので、疲れもあったアルゼンチンに思うようにさせなかった。
日本は第一戦とは別チームのようでした。
そんな状態で日本が先制すると更にアルゼンチンはイライラが増すわけです。
南米のオリンピック予選を一位で抜けてきた、サッカー大国としてのプライドも相まって
プレイも徐々に雑さが増します。
で、板倉のCKからの得点でトドメになりました。
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というわけでこの試合に関しては全員が素晴らしい戦い方でした。
久保もその気になれば強度の高い守備ができるのです。伊達にスペインで揉まれてませんね。
ただ、何といってもこの試合は田中碧でしょう。
「無双」という言葉がピッタリでした。
相手に当たられてもボールを失わないし、相手の寄せが早ければ簡単にいなす。
前を向いたら左右や縦に素晴らしい配球をする。
こんな選手がいるんだから、フロンターレも強いはずですよ。
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そもそもオリンピックが開催されるのか分かりませんし、
この試合ではたまたま日本の戦い方が良い方向に出て、良い結果に繋がっただけとも思います。(続けていけたら素晴らしいです)
本番があれば本番へ、そしてフル代表への刺激となってくれれば幸いですね。
《親善試合:vs韓国》あっさり勝った
メディアでは「永遠のライバル」的な煽りがされる韓国戦。
終わってみれば3-0で完勝となりました。
はて、日本強くなったんだっけ?
はて、韓国ってこんなんだっけ?
みたいな気持ちが湧いてくる試合でした。
久々すぎるので上手く書けるか分からないですが、感じたことなどを書いてみます。
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日本が見事に勝利を収めた要因は下記の2つかな、と。
- CBコンビ&ボランチコンビの盤石具合
- 韓国がフィジカル勝負じゃなくてボール回してきた
韓国っていうとやっぱり日本に対して良くも悪くも感情剥き出し、ファールも辞さない、フィジカルと気持ちを前面に押し出して圧力、みたいな戦い方を想像するんですよ。
私みたいな古い人間は特にw
それが今回の韓国は全然違いました。
親善試合だからなのか、監督がパウロ・ベントだからなのか、時代が変わってきたのか。
よく分かりませんがとにかく普通のチームになってました。
そのうえで日本のCB2枚とボランチ2枚です。
ドイツ・ポルトガル・イタリア・イタリアですよ。
守田はまだチームに加入したばかりですが、他3人はゴリゴリのレギュラー。
日本人の守備寄りの選手がここまで海外でレギュラーってのもすごい。
特にボランチの二人はとにかくボールに対する寄せが早く、
かつ守備だけではなく常に縦を狙うという姿勢もあるという
今までの日本代表ではお目にかかれなかったコンビでした。
そうなると韓国ボールをどんどん刈り取れる訳で。
そこからショートカウンターのような形で良い攻撃になっていった。
それがこの試合の大きな勝因だったかと思います。
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ついでに日本の選手評などを。
権田
⇒危なげは特になく。年齢を重ねて落ち着いてきた気が。でもCKで連続ニアを狙われたのは悲しい
冨安・吉田
⇒この試合に関しては言うことなし。アジアレベルならたぶんこんな感じ。中澤&闘莉王コンビを超えた感
山根
⇒前半は特に積極性が目立って見事先制ゴール。酒井宏の後釜…と思ったらもう27歳だった。
佐々木
⇒思ってたよりは悪くないけどやっぱり怖い。最初のピンチは佐々木のミスからでした。
遠藤・守田
⇒もうこのコンビで良いよ。とにかく中盤でボールが取れるってのは強み。
伊東
⇒ちょっと疲れ気味?ただ守備に転じた時の速さは素晴らしい。
南野
⇒プレイが自信に満ちてた。でもゴール決めて欲しかった。。。
鎌田
⇒相手が守備しずらいところに顔を出し、しっかりキープでき、ゴールまで。前半だけだったけど満点でしょう。外せない選手になってきた。
大迫
⇒シュートシーンはCKからのヘディングぐらいだったけど、相変わらずポストの上手さは光る。周りはやり易いと思う。
江坂
⇒ゴールならず。イメージはジェネリック南野か。総合的に優れたアタッカーが代表で頭角を現すにはもう一つ何か武器が欲しいところ。あ、CKは良かった。
小川諒
⇒可もなく不可もなく。インパクトは残せなかった。でもクロスの質は良い感じでした。
浅野
⇒アレは決めよう。いつもの代表の浅野だった。
古橋
⇒短い時間で爪痕を残そうという気持ちは良く伝わってきた。
川辺・脇坂
⇒顔見せレベルだったので何とも。
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なんにせよこの一戦で「日本のほうが強い」「韓国弱くなった」とは言えませんが、少なくとも日本の戦い方が悪くなかったのは確かでしょう。
この試合のようなやり方が更に強いチームやフィジカルのあるチームに通用するか、見てみたいです。
《vsベルギー》出し切った感
世の中の社会人サッカーファンを震撼させた、日本時間朝3時からの試合。
気合いで見ました。同じ感覚の方も大勢いたんじゃないでしょうか。
初のベスト8進出をかけ、FIFAランク3位のベルギーとの戦い。
格上も格上。天上人レベルの格上です。
ただし過去の戦績は割と互角。
とはいえ過去のベルギーはこんなタレント揃いな訳でもないので
「苦手意識はないかな」ぐらいでした。
試合結果はご存知の通り、
後半アディショナルタイムにお手本のようなカウンターを食らって
2−3。逆転負けでベスト8は夢と消えてしまいました。
悔しい。本当に悔しい。
2−0でリードしていた時間もあったので
強がりでも何でもなく「勝てた試合」でした。
もちろん、ベルギーはそのまま終わらせてくれなかったのですが
何か少し変われば、結果が変わっていたんじゃないかという試合だったかと。
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この試合に関していえば、誰が悪かったとかは無いです。
そりゃ、川島がもうちょっと上手くボールを処理していれば1失点目はなかったかもしれないし、
最後のカウンターで山口蛍がもう少し粘り強さを見せてくれれば
カウンターも遅れたかもしれません。
でも、些細なことのように思えます。
香川のボール捌き、最高でした。
原口の先制点、泣きそうでした。
乾の追加点、心臓が飛び出そうでした。
柴崎の落ち着き、頼もしかったです。
大迫の体を張ったポストプレイ、ベルギーの脅威になってました。
酒井宏の守備、本当に強くなりました。
昌子と吉田でのルカク抑えこみ、素晴らしかったです。
本田の最後のFK、入らなかったのに感動しました。
みんな、できる限りの最高のプレーをしていたと思います。
それでも勝てなかったんです。
悔しいですが、
全力でぶつかって素晴らしい試合をして全てを出し切って散った感じ。
本当に良いものを見せてもらいました。
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これで日本代表のロシアW杯は終わりです。
大会前の貶しっぷりとコロンビア戦後の手のひら返しっぷり、
そしてこのベルギー戦と、
陳腐な表現ですがジェットコースターのような感じでした。
周りが。
監督・選手はそんな雑音に惑わされることなく、
自分たちの出来ることを見極めて、最大限にやってくれました。
少しだけ、休んでください。
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ベスト8の壁は超えられそうでそう簡単に超えられないですね。
メキシコもここを突破するのにかなりの年月が掛かりました。
それを考えれば、まだまだこの先時間がかかるかもしれませんが、
その分日本代表のサッカーを楽しめるってことでもあります。
新しい代表を妄想しつつ、
ロシアW杯の残りを楽しみたいと思います。
《vsポーランド》その勇気に脱帽
ロシアW杯 グループリーグH組の第3戦、
日本は決勝トーナメント進出を目指してポーランドと戦いました。
結果はご存じの通り0-1で敗戦。
最終的には「フェアプレーポイント」で上回った日本がグループリーグ2位となり
何とか決勝トーナメントに進出しました。
さて、このポーランド戦の残り10分ぐらいの戦い方に賛否が渦巻いてますね。
まぁ、日本代表の試合を楽しく見たかった人は怒るでしょう。
お金払って現地で応援していた人も。
あとは「応援しているチームが勝つこと」「応援しているチームが必死に戦うこと」を
一番としている人も、嫌だったでしょうね。
そもそも普段なかなかサッカーに触れる機会の無い人にとっては
かなり衝撃的だったんではないでしょうか。
「つまらなかった」のはしょうがない。つまらないですよね、アレは。
「勝つ姿(もしくは勝ちに行く必死な姿)を見たかった」のも理解できます。
スポーツを見ていて心を打たれるのはそういうシーンですから。
でも、私は西野監督と日本代表のメンバーの勇気を称えたい。
その理由をつらつら書きます。
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まずはポーランド戦の位置づけについて。
あの試合は、日本がW杯で戦う試合の中でも数少ない
「負けても結果が出る(かもしれない)試合」でした。
そこで西野監督はスタメン6人を変更してきました。
これによって
・いわゆるレギュラー格(香川とか原口とか昌子とか)の休養
・サブ組を出すことでモチベーションアップ
が計れます。
むろん、まったく上手くいかなくてぼろ負けに繋がる可能性もありましたが、
そこは3試合とも同じメンバーで行くことによる決勝トーナメントへの影響と比較して、
「勝てなくても良いかもしれない」試合でやってきたのです。
そのうえで、ラスト10分のあれです。
セネガルが同点に追いつく可能性と攻めに行って同点にする可能性と
逆にカウンターで2失点目する可能性と…
さまざまなものを天秤にかけて、物凄い勇気と覚悟のいる決断をくだしたのです。
そして、選手たちもその決断を受け入れ、
ブーイングや批判を覚悟で試合をクローズしに行ったのです。
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まぁ、正直結果さえついてきてくれれば批判なんていくらされても良いんですよね。
どんなに「つまらない」「夢がない」と言われようが、
勝ち進むことで得られることの方が大きいのですから。
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それにしても収穫の無い試合でした。試合単品で見ると。
4-4-2であのメンバーではボールを収められるところが無く
(岡崎、高徳は収められない、宇佐美、武藤はポジションが悪い)
柴崎もパスの出しどころが無さそうでした。
また、相方の山口蛍は試合勘不足なのか、危険なパス出してみたり簡単に交わされてみたりと不安定な感じでした。
攻撃が少し形になっても、酒井高徳だとやはり攻撃能力に欠け、
宇佐美と武藤は自分を出すことに躍起になっていたため連携がなかったですね。
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ともあれ、結果的に日本代表は2大会ぶりに決勝トーナメントへ進出したのです。
2位通過なので厳しい山の方になってしまいましたが、
どちらにしてもここから先はどこ相手でも厳しいので、気にしないで行きましょう。
柴崎、長友、吉田、酒井宏が休めていないのが若干心配ですが、
周囲のサポートで何とか頑張ってほしいところです。