おっさんサッカー独り言

サッカー日本代表とかジェフ千葉についてブツブツ書きます。

個と組織と

以前書き溜めてたけど、色々あって世に出すのをためらっていたネタです。

棚卸しって事で。

深いようで浅いエントリーです。

かつてトルシエ氏が監督時代にこう言いました。

「完璧なチームとは、8人の明神と3人のクレイジーがいるチームだ」

この言葉の本質は、当時の明神の献身性と戦術理解度を称賛する部分だと思うのですが、

『チーム』として考えても結構頷かされます。

まずは「8人の明神」の意味ですが、

これは簡単に言えば監督の狙いを忠実に実行する戦術理解力とバランス感覚の持ち主、

という感じでしょうか。

「決して好き勝手に動かない選手」と言い換えても良いかも。

一方の「3人のクレイジー」とは何を指すのか。

これは捉え様によっては色んな考え方が出来そうですが、

恐らくは「予測のつかないプレーが出来る選手」「敵も味方も驚くようなプレーをする選手」

になりましょうか。

天才的だったり、とんでもない身体の強さだったり、とんでもない速さだったり。。。

その一方で「監督の指示通りに動かないけど、それが勝利に結びついちゃう選手」とも言えますかね。

■当時はこうだったっけ

さて、当時のトルシエジャパンの主なスタメンはこんなのです。

  柳沢   鈴木

    中田英

小野       明神

   戸田 稲本

 中田浩 宮本 松田

     楢崎

懐かしいっすな。

細かい部分に違いはあるモノの、だいたいこんな感じだったかと。

ここで3人のクレイジーを探すと。。。

中田英

小野

…???

惜しい!あと一人「クレイジー」と言えるほどの存在がおりません。

ここにFWの久保がいたら若干クレイジーかもしれませんが。

あ、監督がクレイジーかw

当時の中村俊輔はクレイジー枠に入りそうですけど、さすがに中盤3人がクレイジーだと

試合がぶっ壊れそうです。

そういう意味でも、監督は中村俊輔を外したのかもしれません。

その他の8人が果たして忠実な“明神”だったかどうかはさておき、

このチームはそれなりにトルシエ監督の目指すものを表現していたと思います。

つまり、トルシエ監督が目指す「完璧なチーム」に近づけたモノだったんじゃないでしょうか。

■今の代表は?

翻って現日本代表。

     柿谷

 香川  本田  岡崎

   遠藤  長谷部

長友        内田

   今野  吉田

     川島

これも細かい点はさておき、だいたいこんなもんでしょ。

クレイジー枠としては。。。

本田

香川

…柿谷?

うーん。ここにもクレイジー成分が若干不足しています。

むしろ本田や香川もクレイジー枠としては少し強烈さが足りないか。

柿谷がもっと自由奔放なら、その資格ありかも。

で、柿谷よりも大迫の方が今の代表にフィットしているってのを考えると

やっぱりクレイジー枠は足りません。募集中です。

岡崎の頭髪とか吉田のやらかしがクレイジーとか言っちゃダメだよ。

ま、個人的には長友も大概クレイジーな気もしますけどね。

あの日本人離れした、いや世界でも有数の上下動の激しさと身体の強さは

十分クレイジーかもしれません。

でも割と献身的なので、トルシエ的な「クレイジー」じゃないかな。

現日本代表候補で「クレイジー枠」にうってつけなのが宇佐美ですかね。

使い方は難しいかもしれないけど、試合を決定付ける可能性のあるプレーもしますし。

(全然何にもしない可能性もあります)

気掛かりなのは、残りの選手が「明神」的かという部分。

遠藤がね、どうしても明神っぽくないんですよw

監督の指示には従うし、戦術理解力も抜群なんですけど、何かイメージが違う。

「クレイジー」でも「明神」でもなく、「菩薩様」みたいな。

ああ、トルシエメソッドが成立しなくなっちゃう。

どうですか、この内容の薄さ。

ま、何が言いたいのかっていうと

「意外とトルシエの言ってる事、的を射てたんじゃない?」

ってことです。

トルシエ時代も現日本代表も最終的に

《完璧なチーム@トルシエ》に近い構成になっているのがその証左。

それもそのはず。恐らくギリギリのバランスなんでしょうね。

「3人の天才肌と8人の献身性」が。

クレイジーさんが4人いると、多分チームとして機能しなくなると思います。

また、クレイジーさんが1人でも孤立しておしまいっぽいです。

こうして、結局チームとして上手くいくには「バランス」が重要だよね、

っていう当たり前の結論に達するのでした。

おわり。