おっさんサッカー独り言

サッカー日本代表とかジェフ千葉についてブツブツ書きます。

秋春制への疑問

JFAがまたもや秋春制を具体的に検討しているようです。

Jリーグ側は再三「無理。終わり。」と回答しているのですけどね。

JFA(推進派?)は移行する為の具体的なスケジュールを出してきました。

最近春秋制から秋春制に移行した、ロシアを参考にして1年半のシーズンを経て秋春にするのだとか。

何だろう。

こんなスケジュールを出した所で、Jの各クラブ(主に反対派)の疑問にはちっとも答えてない気がします。

確かに、実際に移行が決まってからそのスケジュール等々を検討したのでは遅いとは思いますが、

まだ移行すべきかどうか、移行する事によるデメリットの解消方法あたりが全然解決していないのに

さも「移行するのは決まった事」のように詳細な検討内容が公表されるのはどうにも違和感を覚えます。

さて、この秋春制に関しては賛否両論(と言うか“否”の方が多い?)あります。

スポナビブログ界隈でも多くの方々が幾度と無くエントリーしており、

注目度の高い話題である事は間違いありません。

特に『白鳥城の騒霊』様では詳細且つ具体的に反対意見を述べられており、

今更私がどうのこうの書くのが恥ずかしいぐらい、しっかりとした内容です。

興味のある方は是非ご一読を。

(勝手にリンクしてすいません)

で、私の立ち位置は“反対派”となります。

というか、色々な情報を総合して考えると

現状で『秋春制』に移行するのはマイナスが多いとしか思えないんですよね。

秋春制で何が「改善」されるのか

秋春制推し進める方々の意見では

日本の蒸し暑い夏の試合を避けられる

欧州のスケジュールに合わせる事で、移籍がスムーズになる

代表戦に対する選手・クラブの負担が減る

プロ野球と開催時期をズラす事で、Jの露出が増える

というのがあるんじゃないでしょうか。

他に“秋春制のメリット”があったら教えて下さい。

まず1.ですが、

ウインターブレイクを含めた案を見ると結局8月試合するんですよね。

というか、結局今の日程とあんまり変わらないっぽいです。

なので、改善されず。

…というかこの問題は秋春制とは無関係に考えるべき事柄であって、

「これが解決するから秋春制に!」てな内容じゃないでしょう。

2.について。多少は移籍がスムーズになるんでしょうね。きっと。

でも、果たして秋春制になったからと言って

今のJリーグに欧州から来る選手が増えるでしょうか?

言葉は悪いですが、年金リーグとしては中東や中国の方が

よっぽど優秀でしょう。たくさんお金くれますから。

(未払い問題は多々ありますが。。。)

また、選手としての晩年を過ごすのに自国のリーグを選択する選手も多いです。

若手選手のステップアップの場としてはオランダリーグやポルトガルリーグ、フランスリーグの方が、

欧州スカウトの目に止まり易いでしょう。

むしろ、今の“欧州とズレたシーズン制”の方が来易い場合もあるんじゃないでしょうか。

例えば契約の問題がこじれてシーズン中に干されてしまった選手とか。

まぁそれぐらいしか思い付きませんがw

逆に日本から海外への移籍がスムーズになるのか。

なるかもしれません。今でも結構多くの選手が欧州に行ってますが、更に増えるかもです。

これだけ考えれば悪くは無いのですが、

現状のJリーグ各クラブの財政を含めて考えると、悩ましい問題にもなります。

要するに、0円移籍が今より増えちゃう、と。

Jのクラブが移籍金を獲得出来るのであれば良いのですが、

複数年契約を結ぶ程の体力がないクラブは、有力選手が続々と0円で引き抜かれる事になります。

「フロントが頑張れ」と思われるかもしれませんが、頑張れるなら今でもとっくにやってます。

結局クラブが苦しくなってしまうと、リーグが衰退してしまいます。

3.についてはちょっと説明が必要でしょうか。

今、代表戦のスケジュールは欧州基準で作成されていて、6月に多くなっています。

春秋制だとリーグ戦真っ只中である為、代表選手の疲労度が高まってしまう、と。

まぁ6月は今でもブレイク期間ですけどね。

それが軽減されるよ!という事ですがちょっと待った。

今まででもアジアカップが2月に開催されたりしてますね。いわゆるシーズンオフ。

その時の代表は、コンディションが良いですか?

体力的なものや怪我などは問題ないでしょうけど、実戦感覚が足りなくて苦労してませんでしたか?

それに、今の代表のメインは海外組が中心。

彼らは欧州スケジュールでやっているので、6月時点でのコンディションは他国(欧州)の選手達と同じでしょう。

なので正直、「何かが改善」という気はしないんですよね。

最後に4.

ま、これは1.で述べたように、

ウインターブレイクを含めると今のスケジュールと殆ど変わらない訳で、

プロ野球のシーズンと特にズレる事も無く、露出が増えるとは全く思えません。

てか露出の問題は多分シーズン時期と無関係でしょう。

数字の取れないコンテンツは要らない、というメディア側の考えもあるし、

親会社がありそれが良質のスポンサーであるプロ野球

親会社があるクラブもあるものの、企業名を表に出さないJリーグでは

取り扱いにも差が出ます。

なので、これもシーズン制を変えた=改善にはならないでしょうね。

秋春制=諸問題の改善策、ではない

今のJリーグには、優先して解決すべき諸問題が色々とあります。

前述した夏の試合の問題。過密日程。クラブの財政の問題。観客動員数がやや頭打ちになってきた事etc。。。

ただ、それらの解決・改善方法は決して「秋春制」じゃないと思います。

夏の問題はとにかく夏場の試合を夜にして、平日開催は極力避ける事。

(今でもやってるでしょうけど)

そして何より、ベストメンバー規定を撤廃してターンオーバー制が出来る様にする事。

冬場の暖房施設を考慮するのであれば、夏場の冷却方法も考慮して比較しても良いでしょう。

クラブの財政については、まずライセンス制度が出来てますのでこれから健全化に向かっていくかと思います。

ただそれだけだとジリ貧なので、外資を認めるだとかスポンサーの規定を緩くするとか

(アルコール系のスポンサーを許す等)

東南アジアに放映権を売り込んで、その収益をクラブに還元出来るようにするとか、

そういう方向性からでしょうか。

観客動員数については、まずメディアへの露出を増やし

スタジアムを「楽しい空間」としてプロデュースしなくてはなりません。

また、現状スカパーとの独占契約を結んでいる放映権を地元のTV局には安く売るとか、

ある程度優遇するような仕組みを作ってみるなど、

素人考えですけれども方法はあるんじゃないかと思っています。

何が言いたいかというと

秋春制にすれば万々歳、ではない。春秋制でも問題は解決する」

という事です。

秋春制を推進する方々の意見を見ると、

どうにも諸問題の解決方法を「秋春制」に後付で結び付けている感があります。

何を改善する為の「秋春制」なのか。

何故「春秋制」では出来ないのか。

変更する事で生じる諸問題はなんなのか。

それらは不公平感無く解決出来るのか。

何より、秋春制にする事で今のJリーグが本当により発展するのか。

そこをハッキリと提示すべきなんではないでしょうか。

で、この後に秋春制にした際の問題点とかを書こうとしましたが、

余りにも長くなりそうなので次の機会に。

(あるのか?)

今回は「改善」という部分にフォーカスを当てたと言うことで。