出来過ぎな勝利《vsデンマーク》
予想をはるかに超えた結果となりました。
3−1
日本代表の勝利を望み、願い、勝つ場合のパターンを色々考えていた人でも、
まさかこんな結果になるとは思わなかったんじゃないでしょうか。
(ちなみに私は0−0か1−0かと思ってました…)
じゃあデンマークがダメだったのか?というと、
そんな事はなかったかと思います。
前半、勝たなければならないデンマークは、リズミカルにパスを繋ぎ、
前線の選手が流動的に動く事によって、日本の守備陣のチェックを交わしていました。
それでも最後の所で中澤、闘莉王が跳ね返し、阿部がそのこぼれを拾いながら凌いでいました。
また、どうやら最初は松井、大久保に中に絞るように指示があったらしく、
サイドのケアが足りなかったというのもあった様子。
そうやって粘り強い戦いを続けた後に、『本田感謝祭』が待っていたのです。
■出色のデキな本田
いや、アレが本当の姿なのかもしれませんが。
あのタイミングで完璧な無回転FKを決めちゃうあたり、タダモノではないのですが、
何しろこの試合の本田にはボールが収まりまくります。
ゴールキック、味方のフィード等、自分の元に来たボールはしっかり自分の物にする。
んで前を向けなければ正確に落とす、と。
こういったプレーで、周りがどれだけ楽になったことか。
これが出来るのと出来ないのとでは、非常に大きな差になります。
リードしていた場面で攻撃の枚数が少ない時、一人でコーナーへ向けてドリブルしていたのも印象的。
あれで取られないんですから。本当に強い。
そして試合終盤の岡崎へのアシスト。
アレは多分、岡崎へのプレゼントだと思いますが、
その一つ前の身体の入れ替え方なんて、風格さえ感じられました。
試合後のインタビューで
「思ったより喜べないですね」
なーんて言ってましたが、顔の綻びようは隠し切れてませんでしたねw
常に上を目指す本田らしい発言ですが、嬉しそうな顔はこっちも嬉しくなりました。
■FKで2点
今大会で直接FKが決まったのは3本。
そのうち2本が日本(ダジャレじゃないですよ)って、結構凄い事なんじゃないかと。
遠藤はちゃんと修正してきましたね。
第1戦は浮かせてしまっていたのが、この試合ではキチンと合わせてました。
何より、前回のW杯で出番がなく、とても悔しかったであろう遠藤がこうして見事な得点を決めた。
それだけでご飯3杯はいけますね。
そしてその直後にはダイビングヘッドを試みる姿も。
ちょっと萌えました。
あ、FKの話でしたねw
何故日本が上手く決めれたのか、明確な理由はわかりませんが、
思うに、「パワー系FKじゃない」というのもあるのかも。
近年、FKはGK技術の向上もあり、「より速く」「より強く」という傾向にありました。
(無回転は除く)
日本人だとどうしてもパワーに限界があります。
なのでどちらかと言えばテクニカルなFKが得意。
それが、この「高地」「ジャブラニ」という要因によって、有利に働いているのかもしれません。
■守備専じゃなくなった!?
カメルーンとの戦いっぷりから、
「日本はガチガチに守備を固めるが、攻撃は出来ない」
なんて見方がありました。
私も、この戦術になってからは組織的な攻撃を諦めている節がありました。
が、オランダ戦を経てこのデンマーク戦。
しっかり攻撃も形になってきてませんか?
以前に岡田監督が目指していた、狭い地域でパスを繋ぐサッカー。
それはやはり無くなってはいなかったのです。
少なくとも、選手達の中にきちんと根付いていたんじゃないかと。
デンマークが「負けられない」という事で攻めてきた、という向きもあります。
更に日本が先制し、より日本が攻撃し易い状況になっていたのも確かです。
ですが、少ないながらもサイドバックのオーバーラップがあった。
繋いで繋いで抜け出す、という展開もあった。
日本代表は、この3試合でしっかり成長しているんじゃないでしょうか。
長々と書きましたが、とにかく「嬉しい」という一言に尽きます。
内容云々も良いけど、何より「勝って先に進める」って嬉しいですよね。
次はパラグアイです。
日本は南米チームに弱いですが、
今の代表にはこの山を越える力があると信じています。
嬉しい寝不足が続きますように。
《追記》
川島のPKストップ、何気に凄いですよね。
日本代表の中で最も成長している選手かも。