代表3連戦の意味を考える
vs香港 6-0
vsスコットランド 2-0
vsトーゴ 5-0
いわゆる“代表3連戦”の結果は上の通り。
この試合はオランダ遠征を経て、そこで得たモノを実戦で披露する場
…になるはずだったんですけど、何だかすっかり華試合の様相。
この結果を受けて、スポナビブログその他では
「こんな試合意味無いだろ」
「弱い相手に勝っても強化じゃねえ」
「マッチメイク真面目にやれ」
「キリンチャレンジカップってもういらなくね?」
「全部アウェイでやれ」
等、『なるほど~』と頷けるものから『そりゃ極論でしょ』という過激な意見まで
喧々諤々飛び交っているようです。
そこで、個人的にこの3連戦の意味なんかを考えてみる事にします。
■まずはトーゴ戦
そういえばトーゴ戦について何にも書いてなかったので、まずは簡単に。
この試合については
トーゴのモチベーションが歴代親善試合の中でも最低ランクだった
という事実が結果をトコトン軽くしてくれています。
・岡崎がハットトリックした。 ・森本が代表初ゴールを決めた。 ・本田が2試合連続得点をした。
これらの出来事は本来ならばとても嬉しいニュースであるはずなのですが、
「練習試合どころか日本のフォーメーション確認じゃね?」
というレベルの内容だったので評価のしようがありません。
敢えてコレが収穫、というのを考えると
速いクロスの意識は目に余るほど出てました
何にせよFWが得点するのは悪くないよね
岡崎は常に全力プレーをしてくれるから嬉しい
って所でしょうか。
しかし、トーゴを責める訳にもいきません。
W杯予選を戦った直後に長時間のフライトを経て、日本に到着して20時間後に試合。
こんなの、アデバヨルじゃなくても誰でもイヤでしょ。
(アデバヨルが来てたらベストメンバー?っていうとそうでもないでしょうし)
ともあれ、これでトーゴがアフリカンスタイルを前面に押し出してガツンガツン戦ってたら、それは最早人間業ではありません。
では日本サッカー協会のマッチメイクを責めるべきか?
これについては後述します。
■3連戦の意味
まあ、意味とか意義とかってのは探せば必ずあると思います。
まず、この3試合が果たして「強化」になり得たかというと、正直なってないと思います。
やりたい事の確認と言う意味ではとってもやり易い相手だったとは思いますが、
この試合を経て代表がより強くなる為の何かを得られたかと言うと「No」でしょう。
なので、今回は3つの試合よりも約10日間代表メンバーが顔を合わせて意識を統一出来た所。
これが一番の収穫なんじゃないかと思います。
そしてそこに新加入のメンバーや個性的な武器を持つメンバーがいた事。
一連の代表戦が緊迫したガチンコ勝負だったとしたら、石川や森本がすんなり馴染めたとは思えません。
例えばオランダ相手に石川が出ていても、ガッツリ止められて落胆してたような気がします。
要するに「新戦力の可能性」を感じ取れたのは、相手がユルかったからこそだとも思うのです。
そう考えると、ここで新戦力を呼んで試したのは結果的に成功だったんじゃないでしょうか。
(岡田監督の狙いとは違ってたかもしれませんが)
ただし、相手がユルかった事によるデメリットも少なくありません。
最大の不安は
「ディフェンスの確認が全くと言っていい程出来なかった」
という点です。
オランダ遠征で感じたCBへの不安。セットプレイや相手のサイド攻撃への対処。
そういった部分については今回全く確認出来ませんでしたので、不安は残ったままです。
やはり、ディフェンスを強化するには相手が強くないとどうしようもないと思いますので、最終的にはアウェイでそれなりに本気でやってくれるチームと試合をすべきなんでしょう。
■マッチメイクはどうなんだ?
マッチメイクに関しては、今回非常に考えさせられました。
可能であるならば日本サッカー協会はマッチメイクにもっと力を入れるべきなのかもしれません。
ただ、私達はどのような経緯で今回のスコットランド、トーゴが決まったのか知り得ませんので、
もしかしたらこれが日本サッカー協会の全力なのかも。
そうであるならばもう落胆する以外方法もありませんが、
まだまだ改善の余地があるのであれば、是非是非「代表強化」を第一に考えてマッチメイクに奔走して頂きたい所です。
ただ、
「全部アウェイで」
というのはいささか極論でしょうね。
アウェイで試合をやる事で得る物というのは計り知れないので
出来る限りやって欲しいものではありますが、
やはり国内での親善試合を楽しみにしているサッカーファンも多くいる事でしょうし、
興行面(収入面)を考えても、国内でやらないという選択肢はちょっと無理があります。
今の代表戦はほぼ国内で行われ、どうにも「収入第一」な感が否めません。
日本サッカー協会は慈善事業じゃないので当然収入を得る事を目的としてもいいと思うのですが、
同時に、というかそもそも第一に「日本サッカーの強化」に取り組むべき組織。
なので、素人があーだこーだ言う事じゃ無いかもしれませんが、
国際Aマッチデーを無駄にしない為にも
親善試合のマッチメイクに対して、見直しをお願いしたい所です。
ま、要は時期とバランスなんじゃないかと。
例えばW杯まで8ヶ月余りとなった今、「強化」を目的とするならば
アウェイの試合を多く組みたい所。
そうじゃなく、例えば新しい監督が就任した時だったり
予選に向けて勢いを付けたかったりする場合は
国内親善試合を多めに組んでもいいんじゃないでしょうか。
最後に、一言だけ書いて終わりにしたいと思います。
…
岩下は?
ねえねえ、CB呼んで使わないパターン多過ぎじゃね?>岡田監督
とりあえず南アフリカ戦でも楽しみにしましょうか。